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双亡亭壊すべし【ネタバレ】第155回「『絵』を描く事」感想!

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双亡亭壊すべし【ネタバレ】155回

〈双亡亭〉の主・坂巻泥努の圧倒的な力の前に、
何もなす術がなく絶望する紅は
泥努に言われるがままにモデルを続けていた。

そんな泥努に自分の「絵」をどうしたいのかを問うと、

今の人類を滅ぼした後、
何百万年後かに現れた新たな人類が
泥努の「絵」を評価し、福音となるであろうと宣う。

その時————
姉を捜しに「幽体」となった緑朗がやって来る。
緑朗の命が無事であることを知った紅は
心に「希望」を取り戻す。

紅から「『絵』とは何か?」と問われた泥努は、
彼女に自らを霊視させ、
空間に浮く「人の心に働く粒子」を定着させることこそ
「絵」を描くという事だと答える。

そして緑朗のおかげで元気になった紅に
しばらくはその状態でいるようにする為に・・・

無数の腕を一気に伸ばし
緑朗を捕まえようとするのであった——————!?

 

 

 

絶望の果てに——

紅は坂巻泥努の圧倒的な力を見せつけられ戦慄し、
絶望の淵に突き落とされていた。

・・・・・・・・・・・

私は刀巫覡(カタナフゲキ)。
今まで幾多の戦いを経験してきた女。

その中には
勝ち目のない戦いもあった・・・
身の毛もよだつ恐ろしい経験もした・・・。

だが、
その私が今度ばかりは絶望した。

 

坂巻泥努―————。

 

この男には、
何があっても勝つことはできないのだ・・・と。

そして私は言われるがまま
なす術もなく「泥努のモデル」を続けている・・・

「どうした・・・。」
泥努の手が止まる。

「え?」

「おまえから覇気が消えた・・・。」

「なんのこと・・・?」

「おまえはモデルをしながらも
隙を狙って私を殺すつもりだったろう。
その〝青色の闘争心〟は
いかなる時も消えなかった。

そして———
その青を呑んだ瞳は『美しい』とさえ言えた・・・

だが先刻から
お前の目は暗く濁って
なんの色も浮かべなくなっているではないか・・・。」

「実につまらん。」
泥努は徐に筆を放り投げる。

「そんなこと言われても・・・。」

「その気弱な表情・・・
おまえはそんな女ではなかろう・・・。
いつもまなじりを上げて、
唇をきつく結んでいたろうが。」
泥努の目尻が上がる。

(ダメ・・・どう考えても・・・
人間はこの男には勝てないわ・・・
きっと〈双亡亭〉にも・・・)
「く・・・くやしい・・・。」
紅は悔し涙を流して
歯を食いしばるのであった——————!?

 

 

この壊れかけた紅の表情・・・
これが圧倒的な絶望というものなのか!?

なす術がなく、手も足も出ない・・・
これだけ自分が無力である事を思い知らされて
心が折れない人間はいない。
それは百戦錬磨の柘植紅とて同じこと・・・。

これを例えるなら―——
アリがゾウに踏みつぶされる様な・・・
幼稚園児が格闘家に翻弄されるようなものだ。

逆に紅は————
よくぞここまで踏ん張り、耐え抜いたものだ!!

が・・・この章の最後に流す〝悔し涙〟が
まだ終わりではないことを物語っている・・・!?

がんばれ紅! 必ずタコハが何とかしてくれる筈だ!!

その想いを胸に次へと進もう。

 

 

 

泥努の望み

「おまえはそんな顔もするのか・・・」
泥努が興味を示し筆を取り直す。
「いいぞ・・・なかなかいい・・・。」

「泥努、お前は強い・・・。」
紅から滝の涙が零れ落ちる。
「お前はきっとその調子で・・・
思い通りに『侵略者』どもを
こちらに招き入れるのだろう・・・。

そして・・・
人間達の死に絶えたこの地球で
なお独りぼっちで『絵』を描くんでしょう・・・。

でも・・・その時には
『お前の絵を買う人間』は・・・
そこにはいないのよ。」

(紅は泥努をキッと見据える。)

「一体お前はどうしたいの?
『絵』を評価されたくないの?」

「評価はされたいさ。
帝展の愚昧な審査員や画商にもな・・・。」
泥努は筆を動かしながら答える。

「低級な画家の『絵』を
ありがたがるような凡愚な民衆にも、
『絵』を買いたいと思わせたい。

虫けらのように
地を這わせて乞い願わせるのだ・・・。」

「だったら尚のこと、この地球を滅ぼしたら・・・。」
紅が反駁すしようとするが————

「でもな・・・
『絵』はずっと生きる。

『侵略者』が人間を殺し尽くしても
『絵』だけは生き続けるのだ。

そして何百万年後かに・・・
再び〝人間〟が
この星ではびこる時が来たら―———」

(泥努の顔に
狂喜とも狂気ともつかない〝笑み〟が浮かぶ。)

 

「私の『絵』が認められ評価されるだろう。」

 

(そんな気の遠くなるような・・・未来の話・・・)
紅は愕然とする。
(ダメだ・・・この男にはもう何を言っても通じない・・・)

「泥努・・・お前にとって・・・『絵』ってなんなの・・・?」
紅は涙ながらに尋ねるのであった。

———と!?

 

「お姉ちゃん!」

 

紅の耳に緑朗の声が聞こえるのであった——————!!

 

 

そっか!
泥努も実は真っ当に評価されたいと思っていた!?
みんなに自分の「絵」を買わせたいとも思っていたのだ!
が・・・まともでないのはそこから先で・・・
今の人類を殺し尽くしてから次の人間が現れるであろう
何百万年か後の話をしだすのだ!

これはもう狂っているとしか言いようがない。
常人にとっては理解するどころか
全く「別の生き物」にしか思えず・・・
完全に宇宙人状態であり・・・

それが狂喜と狂気の笑みを浮かべる
〝坂巻泥努〟という男の本質なのである・・・。

そして! 突然の緑朗の声!?

さあ! 急ぎ次章へ行こう!

 

 

 

再会

(緑朗!?
だけど・・・これは〝現世の声〟じゃないわ
これは巫女の私にだけ聞こえる「霊体」の声!)

(緑朗!
あんた死んだのか?
そんな・・・
そんな・・・!!)
「幽体」の緑朗を霊視し・・・紅は涙する。

「『お姉ちゃん』だと?」
泥努が素早く反応する。
「今・・・誰か・・・
『お姉ちゃん』と・・・言ったか?」

「泥努・・・
聞こえたんか・・・?」

(泥努は紅の表情をジッと観察する。)

「・・・そうか。
紅・・・血相が変わったな・・・
おそらく・・・
お前の弟が死んで・・・
『幽霊』にでもなって
お前に会いに来たのだろう・・・。」

「そんな・・・
緑朗は死んだの・・・?」

「緑朗、
あんた死んだんかい!?」
紅は緑朗に呼びかける!!

「ううん!
僕、命は助かってるの!
すぐに身体に戻るけど、
お姉ちゃんが心配でここまで捜しにきたの!」
緑朗が答える。

「あ・・・ああ!! よかった・・・・。」
紅の悲しみの雫が・・・喜びの涙へと変わる。

「そんなことはどうでも良い。」
泥努が冷酷に言い放つ。

「おまえは私に
『絵とは何か?』と尋ねたのだ・・・
それに答えよう。

見るがいい、私が『絵』を描くのを・・・
〝霊〟を視るその目で。」

泥努頭上の空間がざわつき
ゾワワと黒く歪み始める。

「!!」

「え・・・泥努の周りの空気が・・・!?」
紅が目を瞠る。

「何・・・あれ・・・?」緑朗が呟く。
「君は〝精神体〟になっている・・・
普通は見えないものが
今は見えているんだ・・・。」緑朗の父が答える。

泥努の周りに現れた
霧の様な黒い物質が波状になり
泥努の顔や指先に
ジワジワと纏わりつく。

と・・・!?

泥努は体に纏わりついた「黒い物質」や
空間に渦を巻く「黒い液状の物体」や
「光輝く粒状の物体」を————
筆先で絵具のように掬い取り
キャンバスへと塗り付ける。

それはあたかも
空間からあらゆる色彩を
削り取って
キャンパスへと
封じ込めているかのようであった——————!?

 

 

おおぉ! 紅と緑朗、姉弟の久々の再会である!
でも良かったぁ~!  紅にとっては吉報だ!
これで紅は緑朗の無事を確認する事ができたのだ!!

そして突然泥努の周りの空間がざわつき
黒い物質が光が空気中に舞い、煙や液状になって
泥努に纏わりつく!!

この現象は一体なんだ?
これが泥努の「絵」の秘密なのか?

その秘密を知るためにも次の頁を繰ろう!

 

 

 

 

泥努の「力」

「あれは何・・・?
虚空から黒いものや光ったものを・・・
筆で引っ張ってきている・・・の・・・?」紅が戦慄く。

「そして・・・・それが・・・
描くたびに・・・
『絵』の中に入って行ってるみたいだよ・・・。」
緑朗も驚愕する。

「そうか・・・
あれは我々の知らなかった『力』だ。」
隣で緑朗の父が納得する。
「道理で『侵略者』達が、
ここの主の『絵』を
思い通りにできない訳だ・・・。」

「おまえ達衆愚は————
『絵』を描く行為が
キャンバスという麻布の上に
ただただ〝絵の具〟を置いてゆくことだと
考えているのだろう・・・。
それはこの世の多くの画家共もだ。」

(泥努は熱く語り続ける。)

「が、物質の上に物質を塗りたくる事が
『芸術』であるものか。
『絵』は・・・見た者の心を鷲掴みにして
一生一緒に離さぬ
『呪縛』でなければならない。」

(指先の筆に力が籠る。)

「だから画家は―———
自らの『個性』『感覚』『想像力』を磨きぬき、
一生涯をかけて
自分の人格を鍛え上げるのだ。

自分の深奥に隠れた
『絶対的なイメージの結晶』を、
筆先にえぐり出すためにな。

そしてそれを可能にする技術を持った者だけが
己の精神力で空間に満ちている
『人の心に働く粒子』を、
平面に定着させられるのだ。」

「その黒き粒や、光った粒を
自在に筆に乗せてこその画家なのだ。
この空間に満ちている・・・
『人の心に働く粒子』・・・
それを定着させるのが『絵』を描くということ・・・・。」

言い終わると同時に
泥努の目が鋭く光り続けるのであった。

 

「良いな・・・。」 泥努が紅に再び興味を示す。

「先程よりずっと生気が出てきたな・・・
〝弟の幽霊〟と会った事がそんなに嬉しかったか・・・。」

「なら・・・緑朗は
ずっと此処にいさせよう。」

「はっ!」 紅に驚愕と焦りが走る!?

 

「緑朗! 逃げて~!!」  紅は緑朗に絶叫する。

 

夥しい無数の〝腕〟が
泥努から勢いよく飛び出し、
「幽体」の緑朗を掴み取ろうと
激しく襲いかかるのであった——————!?

 

 

おおぉ! 泥努の「絵」の秘密がここで明かされる!?
泥努は「人の心に働く粒子」を
「絵」という形に定着させていたのだ!

それにしても今までは只自分の好きな「絵」を
一心に描いていただけだと思っていたのが・・・
こんなにも物理的、合理的そして利己的な
効果や作用や目的を兼ね備えていたなんて!?
とにかくこの設定やプロットには感心と驚きしかない!!

この事からも、とてつもなく素晴らしく
圧倒的に知的な物語を読んでいる事を
再認識させられた次第である!

一方、緑朗の「幽体」に空前の危機が迫る!?

が、残念ながらこの続きはまた来週ということである。

 

 

 

双亡亭壊すべし155回の感想

今回の「双亡亭壊すべし」は—————
「常人の絶望と再生」、
「狂人の歪んだ才能と野望」の2つが立て続けに描かれる。

それは言い換えると・・・
「紅の心象風景」と「泥努の驚愕の才能と狂気」となろう。

絶望に染まり壊れかけた紅の心が
緑朗の「幽体」と出会うことで
「希望」を見出す前半と・・・

坂巻泥努の歪みすぎた「野望」と
「侵略者」をも跳ね返す巨大過ぎる「才能」の秘密が
明らかになる後半。

この「紅」と「泥努」を対比することで
「常人」と「狂人」のあからさまな違いが
まざまざと浮かび上がる仕掛けとなっている。

特に、いくら気丈な紅といえども
圧倒的な悪と力の前に打ちのめされ
悲嘆にくれる姿が読者の涙を誘う・・・

これこそが人間本来の「心の動き」だろう。

かたや、
何があろうと言いたい放題で、
百万年後の「野望」と
「呪縛」を連想させる恐るべき「能力」は——————
読者の恐怖をどこまでも喚起する。

かつてここまで壮大な
「狂気の野望」と「才能」があっただろうか?

だが、ただ一つ確実に言えるのは—————
皆さんはもうお気づきだと思うが
この泥努の「野望」は
根本からして間違っているという事!

なぜなら————
「芸術」は「呪縛」ではなく、
決して〝命を奪う〟ものでもなく・・・
絶対に〝命を生み出す〟ものでなければならないからだ!!

泥努は自己満足や自己完結の為だけに
「芸術」と「才能」を利用しているに過ぎない!

やはり狂った理論を振りかざす狂った芸術家なのだ!!

けど・・・
泥努にもごく偶にではあるが
人間らしさが垣間見えることがある。

そう、彼も元々は感受性豊かな少年だったのだ・・・

そこにこの〈双亡亭〉破壊のキーポイント・・・
泥努を倒す「鍵」が眠っているに違いない!

泥努が「紅」や「タコハ」に出会うことにより、
彼の心の奥底に眠る「明るく素直な人間性」が

少しでも息を吹き返してくれる事を願いながら
次週を楽しみに待とうではないか!!

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