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双亡亭壊すべし【ネタバレ】第154回「体外離脱(O・B・E)」感想!

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双亡亭壊すべし【ネタバレ】154回

〈時間が少しだけ巻き戻される―——〉

みんなと共に〈双亡亭〉の亡者達と戦っていた緑朗は
遠距離からの狙撃を受けるが・・・
気が付くと「精神体」となり、空中に浮いているのだった。

驚く緑朗の前に死んだはずの父が現れ、
なぜこうなったのか話し始める。

自分は緑朗の体内にいる
一滴の「水」の生命体であり、

撃たれた緑朗が「精神体」になったため
こうやって父のイメージで話ができること。

この「水」が狙撃箇所を瞬時に硬質化して
緑朗の命を助けたこと。

受けた傷が完全に修復できるまでは
緑朗は「精神体」であること——————
などを説明するのであった。

全てを理解した緑朗は
このカラダを利用して
姉の「紅」を捜しに〈双亡亭〉の母屋へと飛ぶ。

泥努のアトリエに到着した緑朗は
紅を見つけるが
その緑朗の気配を感じ取った泥努が
邪悪な顔を緑朗へと向けるのであった―—————!?

 

 

 

狙撃の瞬間の出来事

それは―—————
時間を少しだけ遡って・・・

緑朗が帰黒と共に
〈双亡亭〉の亡者と戦いを繰り広げていた時のこと。

う・・・うう・・・緑朗!

「え・・・!?」
自分を呼ぶ声に緑朗は気付く。

 

キイイイイイン    空間を裂く音が耳に響く。

 

「誰?」 緑朗が問う!

 

『気をつけろ!!』 声が叫ぶ!

 

 

タ   ァ   ア   ア   ン      !   !

 

 

―——刹那、緑朗は頭を撃ち抜かれていた!?

敵が遠距離から緑朗の頭部を狙撃したのだ。

そして緑朗は目の前が暗転し
意識が無くなっていくのだった―————!?

 

・・・・・・・・・・・

 

・・・どうしたんだろう・・・僕・・・

アタマをすごく殴られて・・・

何もわからなくなっちゃった・・・・・・

ん・・・・
下の方に何か見える・・・
あれはタコハさん?
誰かを抱えてる・・・
そのヒト、アタマから血を流してる・・・

それは緑朗であった!?

「緑朗ォオオ!!」
タコハが絶叫する。

 

え!?

・・・タコハさん何言ってるの!?

それは僕じゃないよ!?

だって―——
だって僕は
ここにいるじゃないか!?

あれ?
右足のかかとから
〝光るヒモ〟が出てて
もう一人の僕と繋がっている・・・!

(・・・これって前に
タコハさんが言ってた―—————
「死んでた時」に起こったコトと同じ現象?
じゃ・・・僕は死んじゃったの・・・?)

「いや、死んではいないさ。」

突然の声に緑朗は驚きその方を見ると

そこにいたのは
死んだはずの父親であった―—————!?

 

 

 

そうか!  そういう事だったのか!?
時間が少し巻き戻され—————
「緑朗の狙撃事件」が・・・緑朗自身の視点で描かれる。

そうなのだ!
緑朗は狙撃された瞬間から
前のタコハの様な状態、
つまり「肉体」と「精神」が分離した状態になっていたのだ!

これぞ世間一般でいう「幽体離脱」というものだ。

そんな異常な状況で自分は死んだのかとパニクる緑朗。
が、そんな緑朗の前に死んだはずの父親が現れる!

これは一体どういう事なのだろうか?

取り急ぎ次章へと読み進もう!

 

 

 

父の残像

「パパ・・・?」

そこには緑朗の父が立っていた。
いや、浮いていた!?

その顔に優しい笑顔が浮かんでいる。

「いや・・・パパじゃない、
パパは僕の目の前で死んだんだ・・・。」

「賢いな緑朗。」 パパが答える。

「その声は・・・
さっき僕に『気をつけろ』って言った・・・。」

「君が・・・『私』を驚き、恐れないように
この姿を借りたのだ。」

「『私』は―——
君の体内に一滴だけ在った
青一から来た『水』だ。」

前に青一が自分の過去を見せるために
自分の「水」を緑朗にかけた事があったのだ。

「・・・ってことは・・・青一くんが言っていた
『おじいちゃんの星』の宇宙人・・・。」

「そうか・・・
君は青一の記憶を
既に見ているのだったね?」
パパの顔が〝おじいちゃん〟に変化する。

そしてすぐにパパへと戻る。

「さすがに一滴では
物理的に形を保つ事はできないが、
君の意識にイメージを投影する事はできる・・・。
だがこの姿だと君は不快かな?」

「ううん、そんなことないよ。
だってパパとはもう会えないと思ってたから・・・。」
緑朗は頬の涙を拭う。

「そうか・・・
君がその『精神体』になって
ようやくこうやって会話ができる。」

「ではどうして君がこなってしまったのか教えよう。」
そしてパパは語り始める。

 

「君は遠距離から狙撃されたのだよ。」

 

「そげき・・・?  鉄砲で・・・?」

「そうだ。 その瞬間に『私』は着弾場所を予測し、
『私』の他に君の体の中にいた
複数の〈敵〉の体を支配して、
狙われた君の頭部に集中、結晶化させ
弾丸を弾きかえしたのだ。」

(緑朗は話しに聞き入る。)

「一瞬の事だったので
君の受けた損傷を全ては無効にはできなかった
だから現在も細胞を修復している。」

「ということで、君は死んではいない。
ここまでは理解できたかな?」

「ちょっと難しいけど・・・
僕を助けてくれたってことだよね・・・。」

「ありがとう。」 緑朗に笑顔が生まれる。

パパも優しく微笑む。
「だから・・・君が動けるようになるまで、
もう少し―———」「ねえ・・・パパ。」緑朗が言葉を遮る。

「前にタコハさんが言ってたんだけど・・・
このカラダだったら―———
どこにでも行けるんだよね?」
緑朗は空中をクルクルと回転する!

「僕、さらわれたお姉ちゃんが心配なんだ・・・」
緑朗は強い決意を瞳に宿す。
「お姉ちゃんが無事なのか知りたいんだ!」

「・・・・行くかね?」
パパはその瞳に答えるのであった―————!!

 

 

凄い!  ホントに凄いぞ!!
緑朗は自分の身に何が起きたのかを改めて認識し、
その上で今の自分の状況をシッカリと利用し
一刻も早く姉の「紅」の行方を捜そうと決意するのだ!

私だったら「精神体」になった時点でショックを受け
パニックで頭の中が真っ白になり
どうしたら良いのか分からなくなるのが関の山だ。

それを緑朗は軽々と乗り越えて行くのだ!

この物語の主人公はタコハだが、
この緑朗も〝裏の主役〟として
シッカリと物語を「支えている」のである!

 

 

 

姉を捜して———

ヒュン  コオオオオオオ・・・

緑朗は一路、母屋へと向かう。
窓を、壁を通り抜け
長く続く廊下を一気に飛翔する!

「ついてきてくれるんだね、パパ。」

「正確に言うと『私』は移動してはいない・・・
意識というイメージが————
君の『精神体』と繋がっているだけなんだよ。」
「『私』は今、君の頭部の生体機能を回復中だ。」

「・・・でも、心強いよ・・・」緑朗は素直に言う。

「緑朗、その姿だとて油断はするな・・・
この場所は『精神体』にも
攻撃できる者どもで満ちているのだからな。」

「うん!」

「お姉ちゃんはここかな?」
緑朗はドアの一つを通り抜ける―——————

 

「 う  わ  ! ! 」

 

緑朗は空中で急停止し
そこに見えるものに啞然とする。

そんな緑朗の目に飛び込んできた光景―————

それは―———
大きな空間で
「魚」や「タコ」に似た巨大な〝3匹の生物〟が・・・
喰いつき戦い合っている姿だった!!

「ここ・・・何だろう?」

「『侵略者』が個体化した〝戦闘体〟の待機場所だろう。
多くの個体を競わせて、
この三体だけになったようだ・・・。」

「前から思ってたんだけど・・・
何でコイツらは———
『魚』みたいな姿をしてるんだろう?」

「その疑問は当然だ。
『私』も奴らも・・・本来は形のない〈液状の生命体〉だから、
イメージしないと個体化は難しい。

だから多分―———
戦闘で死んだ人間の脳から
〈記憶〉を吸い取ったんだろう。

君の惑星(ほし)の原始の時代から
水に適応し、
合理的進化を遂げた脊椎動物の記憶をな・・・。」

「原始の時代から・・・」
緑朗はその壮大さに啞然とする。

が・・・!

「はっ、そんな場合じゃない!」と我に返る!

 

「お姉ちゃん!!」

緑朗は姉を捜しに
再び宙へと飛ぶのだった——————!!

 

 

 

何なんだ!?  緑朗が目撃した醜い生物達は!?
それらを戦わせて
一番強い個体を残そうとしているなんて・・・
話を聞くだけで身震いがする。

そしてここで〈侵略者〉達が
何故「魚」の姿をしているのかが明らかになる!?

人間の記憶を吸い取って―————
その記憶の中で
水に適応し、進化してきた
脊椎動物である「魚類」の記憶を
イメージ、個体化したものだったとは!!

なるほど―———と納得できる部分と、
進化の歴史を垣間見たような
空恐ろしさを感じる部分が
心の中を半分ずつ占め・・・

この物語のプロットやディテールの完成度の高さに
改めて恐れ入った次第である。

 

 

 

応尽、泥努・・・邪悪な顔の行方

〈双亡亭〉の別室では————

「ひい」「ふう」「み」「よ」・・・

〝しの〟の手鞠遊びを肴に
五頭応尽が盃の酒をチビチビと舐めていた。

「そうだしのちゃん・・・
お前は聞くだけだ・・・
なーんもしなくてイイ・・・
思考すら するんじゃねえ・・・

なんせ、お前のやるコトなすコト、
ぜぇんぶ
ご主人サマに筒抜けだからなァ・・・。」

(五頭応尽が呟く。)

「だから・・・よ、
オイラが先刻その坂巻泥努サマとの面会で
もうだいたいのコトが判ったってェのも・・・
あとはせいぜいが
あのビリビリ来るオモチャを手に入れるだけで
準備がオーケーってコトもよ・・・。」

「そう、これは全部オイラの独り言さァ。」

「でもなァ・・・
ひとつ気になってるコトがある・・・
なんでも泥努の言いなりのアンタ等が・・・
いや、『しのちゃん』がさァ・・・

なんで泥努が『連れてこい』って言った
タコハなんて男を、
オイラには『早く殺せ』なんて言うのかねぇ・・・」

「あいつの言う通りにしねーでイイのかよ・・・。」

「『勇気』の感染源を断つため・・・とか言ってっけど、
しのちゃん、
何かオイラに隠してるよねぇ・・・。」

(応尽の目が鋭くなる。)

「つまり、
あの凧葉が生きていたら、
マズいんだよな。」

(応尽の顔は悪意に醜く歪むのであった。)

 

―——その頃、緑朗は・・・
壁から上半身を出して
部屋の中の様子を確かめていた―———。

「やっと・・・見つけた・・・・。」

緑朗の顔に笑顔が広がる。

 

「お姉ちゃん!」

 

そこは〈双亡亭〉の最深部―——
「坂巻泥努のアトリエ」であり
坂巻泥努は
緑朗の姉「紅」をモデルに
ひたすら絵を描き続けているのであった―—————。

その滑らかに動く筆先が
突然ピタリと停止する。

 

「『お姉ちゃん』だと?」

 

「え?」 驚きで緑朗の動きが止まる。

 

「誰か今・・・『お姉ちゃん』と言ったか?」

 

坂巻泥努はそう言って
声がした場所、
緑朗のいる方向へゆっくりと
その邪悪に歪んだ顔を向けるのであった—————!?

 

 

 

うわぁ~ イヤだぁ~!
その心底邪悪な顔が・・
読者の心を容赦なく引っ掻いていく・・・。

五頭応尽は相変わら捉えどころがなく
腹の底でも何を考えているのか分からず
それが却って彼の「邪悪さ」を際立てる。

泥努の邪悪さは別格で
自分の気に入らない者、逆らう者、
自分に興味がない者にはどんな冷酷な仕打ちも辞さない・・・
背筋が凍る程の
無邪気で無関心で冷酷な「邪悪さ」なのである。

そんな邪悪さが「精神体」の緑朗に向けられる!?

果たしてこの後の展開は如何に・・・!?

が、それは次週まで待てということである。

 

 

 

双亡亭壊すべしい154回の感想

今週の「双亡亭壊すべし」は————
緑朗の視点で「狙撃事件」からその後の出来事が
ジックリと描かれる。

それを時系列に並べると————
緑朗の狙撃⇒緑朗の中の「水」の生命体による防御⇒
救われた命⇒「精神体」としての復活⇒父との対話
⇒「姉捜し」へ!———となる。

そしてこの多くの出来事の間に
「緑朗はなぜ命が助かったのか?」
「緑朗は意識を失っている間どんな状態になっていたのか?」
「侵略者はなぜ『魚』の姿をしているのか?」
―———という3つの大きな「謎」が
次々と解き明かされるのだ!

なんて盛り沢山で、なんて贅沢な展開だろう!
そして読者は今回もいろんな意味で驚かされっ放しで
心地よい疲労感が体中に広がるのを実感するのである。

 

さて、来週である!
泥努と対峙した緑朗はどうなるのか?
紅は無事脱出できるのか?
応尽の企みの真意は?
そして最終決戦の行方は?

さらに盛り沢山の濃ゆい内容となるこの物語―—————
この独特の味わいを
1週間後もシッカリと堪能しようではないか!!

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