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双亡亭壊すべし【ネタバレ】第151回「応尽と泥努の面会」感想!

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双亡亭壊すべし【ネタバレ】151回

〈双亡亭〉の母屋。その深部の〝アトリエ〟では—————
坂巻泥努が柘植紅をモデルにして「絵」を描き続けていた。

そこに異星人の人間体である〝しの〟が、
五頭応尽と2人でやって来る。

絵を描くのを邪魔された泥努は気分を害し、
しかも自分を襲おうとした応尽に怒りが爆発し、
応尽に激しい「念力」を喰らわせて
床に叩き付け、激しく痛めつける。

紅の助けもあり、泥努に許された応尽は
侵入者の中にいる自分の娘達を殺してももいいのか?
そして他の侵入者も
好きにしていいのかの許しを得に来たのだ。

泥努は————
タコハは生かして連れて来いと命令し、2人を下がらすのだった。

泥努のアトリエを出た〝しの〟と応尽は密談を始める。

「もうすぐ望み通りにしてやるよ。」

応尽は獣のように顔を歪めながら
〝しの〟にそうほくそ笑むのであった——————。

 

 

 

泥努と紅の対話

「・・・そうか、おまえは友人が少ないのか・・・。」 泥努が呟く。
「それはいいことだ・・・
愚昧な人間との関わりは最小でよい・・・。」

「私には修行があったから
友達との時間が少なかったんだと思う・・・。」 紅が答える。

ここは〈双亡亭〉の母屋の坂巻泥努のアトリエ―————
そこで柘植紅は坂巻泥努の「絵」のモデルとなっている。

(紅は考え続ける。)

一体どれだけの時間が流れたのかまるでわからない・・・。
泥努は私をモデルに黙々と「絵」を描き続ける。
そして、たまにこうやって私に話しかける。

私が問い返すと・・・
大抵は無視されるが・・・
稀に答えてくれることがあり・・・

最初の頃は答えるのが五度に一度であったのが・・・・
次第に三度に一度は答えるようになってきた。

だが・・・そうやって坂巻泥努と語り合いながら
私は何を待っているのだろうか・・・
再び攻撃の機会を窺っているのだろうか・・・

紅はモデルをしながら
ひたすら自問自答するのであった——————。

 

 

今回の〈双亡亭〉は、泥努と紅の対話で幕を開ける。
それにしてもこの部分だけを見れば
画家とモデルがお互いに緊張感を持ち、
一線引いたポジションを保って—————
普通に会話しているだけのようだ。

この外の激しい戦いが全く嘘のようであり・・・
妙な違和感を感じてしまうのである。

そう、ここは静か過ぎる。 芸術的過ぎるのである。

しかも泥努も次第に口数が多くなり、
残花のことまでも答えるのである。

そう・・・〈双亡亭〉のラスボスである泥努だが
あくまで人間としての心を持っている事が窺い知れ―————
憎めない悪役として、
読者の心に住み着いてしまうのである。

こんなにも魅力ある「悪」に
魅了されてしまう自分が確かにここに居るのである。

 

 

 

泥努の怒り

「今度はなんだ?」
泥努が怒りに顔を歪める。

「集中しているところをすまないが、
この者から話があるそうだ。」
「水」の異星人の人間体である〝しの〟が泥努に答える。

「泥努サマァ・・・描いてる~?」
五頭応尽が泥努に明るく話しかける。

 

バキィ!

 

〝しの〟を突然激しい衝撃波が襲い
壁まで吹き飛ばされる。

「何故邪魔をする・・・しの。」

「・・・すまぬ。だが・・・五頭応尽がどうしても・・・と。」
〝しの〟は畏まる。

「『水』の分際で聞き分けがないな・・・。」泥努の眉間に皺が寄る。

「はーっはは! 今日は機嫌が悪いみたいだなァ!」
応尽が高らかに笑う。

紅は突然現れた男にビックリする。

「応尽、お前にも用ない。去れ・・・。」
泥努が言い捨てる。

「つれなくすんなよ。
なにせこのバケモン屋敷ン中で———」

(五頭応尽が後ろから泥努に近づく。)

「たった2人だけの・・・」

(応尽は徐に太刀を抜き—————)

「『人間』じゃねーか!!」

 

ズ   ド   ! !

 

(大きく振りかぶって泥努の右肩へと斬りつける!!)

太刀は泥努の体にめり込んで腹部で止まる。

その突然の出来事に紅は唖然とする。

「へ・・・違ったか・・・」
応尽が嫌らしい笑みを浮かべる。
「人間はオイラだけだったっけ・・・。」

「またか・・・・懲りん男だ・・・。」泥努が言い放つ。

と————!!

 

ゴ シ ャ !!

 

応尽の体が捻じれ、飛び、後ろへと弾み
床に向かって顔面から打ちつけられる!!

 

ギ ン !

 

それと同時に泥努に刺さっていた刀が粉々に砕け散る!?

「いぎぎぎ・・・!」
床に激しく顔を押さえつけられながらも
応尽が何とか言葉を発する。
「ちょ・・・タンマ・・・!!」

「わかった! わかったって泥努サマ!」

応尽はさらに強い力で床へ押し付けられ
潰れそうになる。

「この通り・・・悪かった・・・
アンタの『念力』・・・もう存分にわかったから・・・。」

「その男は『人間』か?」紅が気付く。
「やめなさい泥努!」

 

キ  ン   !

 

その瞬間、応尽への激しい力が
一瞬でかき消えるのであった—————!!

 

 

絵を描く事を邪魔されるのを嫌う泥努は、
しのと応尽に怒りの「念力」をぶつける。

その描写が半端じゃなく・・・
これぞ〈双亡亭〉のラスボス!!
と、誰もが実感する凄まじい「力」を見せつける。

しかも体を傷つけられても全く死なないなんて・・・
タコハ達はこの男と戦ってホントに勝てるのか?と
今から心配になてしまう次第である。

 

 

 

五頭応尽の正体

「助けてもらって・・・かたじけねえ・・・。」
応尽は紅に礼を言う。

「誰なの・・・?」紅が泥努に尋ねる。

「こいつは・・・〈双亡亭〉から出ない私が、
外の用をさせるために使っている小使いだ・・・。」

「オイラの名は〝五頭応尽〟ってんだ・・・
よろしくな、姐ちゃん。」
応尽は紅に自己紹介するのであった。

「応尽って・・・まさか!」 紅は驚きで目を瞠る。
「〝加幻満流道術〟の始祖の・・・
いや、大正時代のヒトだから今生きているなんて・・・・。」

「お前は知っているのか・・・?」 泥努が尋ねる。

「じゃあ・・・本当にあの・・・!」
紅は泥努の様子から本物だと悟る。

「あの・・・かどうかは知らんが・・・
この屋敷の近所の薄汚い子供が
いつの間にかここで働いていただけだ・・・。」

「ははは・・・冷てぇなァ! 昔馴染みなのによう!」
応尽は大声で笑う。
「アンタに仕えてもう八十八年にもなるのになァ。
もっとも話すのは〝しのちゃん〟だけどよ!」

「人がそんなに長くその姿でいられる訳がない。」
紅は応尽を指差す。
「おまえも『侵略者』に体を乗っ取られたんだろう?」

「それが違うんだなァ。
こいつらが体に入り込んだヤツは・・・
〈双亡亭〉から出た途端、
どろっどろに溶けちまうんだよ。」
応尽が吼える。

「それだと我々は何かと不便だから・・・
私がこの者を雇ったのだ。」〝しの〟が答える。

「じゃ・・・その男は本物の『人間』?」と紅。
「でもどう見ても五十歳くらい・・・。」

「姐ちゃん、そこの短刀がアンタのだとすりゃ・・・
それは『刀巫覡』(かたなふげき)だろ?」

「だったらオイラの道術がよ・・・
『呪禁』(じゅごん)の他に目指すのが・・・
『不老長生』ってのも知ってるんじゃないか?」

応尽は語を続ける。

「そうさ、オイラは山に入って
胎息や調息やらの呼吸法、導引、灌水の秘法を修行して
仙人にもなったのよ。」

「じゃあ・・・お前は呪言師でもあり仙人でもあるのか?」

「おうよ、不老不死の術者。五頭応尽。
103歳の『人間』よォ。」

「思い出した・・・
お前は確か『双亡亭破壊作戦』の説明会にいた・・・。」

紅の脳裡に・・・政府の説明会に参加した時に
会場に座っていた五頭応尽の姿が過ぎる。

「よく思い出してくれたなァ。アンタ・・・。」
応尽が紅に向かって右手を上げる―—————
「よく見るとべっぴんさんだなァ。」

 

「・・・私のモデルに触れるな。」

 

泥努の目がナイフのように尖る。

「へへ・・・」不敵に笑う応尽―——が!?

 

ドグシャア!!

 

エビ反りになって再び顔面から床に叩き落される!?

「で、私になんの用だ。話してみろ。」

「先刻この屋敷に侵入してきたヤツらの生き残りに
会って来たんだけどよ・・・。
その中にオイラの実の娘が2人もいたのよ。」
一息に応尽は続ける。
「だからよぉ・・・父ちゃんが直々にそいつらを
殺してやってもイイのかを聞きに来た。」

「それと・・・そいつらの中に、
面白えオモチャを持ってる奴がいてよ・・・
それもオイラのモンにしちまってイイか?」

「そんな事はどうでもいい。」泥努は憮然と答える。
「もうそんなつまらん事で二度とここには来るな・・・。」

「へへへ わかったよ・・・。」
応尽はその場から去ろうと踵を返そうとした・・・
が、一瞬だけ振り返る。
「おっと、もうひとつ・・・。」

「あのタコハとかいう野郎・・・。」
応尽の顔に歪な笑みが広がる。
「〝しの〟ちゃんが迷惑してるらしいから、
殺しちまってイイだろ?」

「タコハさんを!?」
紅が反応して立ち上がる!!
「駄目よ! 私がそうはさせない!!」

(泥努の視線がキャンバスから僅かに動く。)

 

「その前に・・・おまえを私が倒す!」

 

紅は短刀を両手に応尽へと迫る。

「!?」 紅は泥努の背中に行く手を塞がれる。

泥努が瞬時に応尽の横に移動していたのだ―—————。

「必ず生かして連れて来い。」泥努が応尽に冷たく言い放つ。
「あの男とは・・・もう一度話してみたい。」
その双眸は氷よりも冷たく冴え冴えとしていた。

「・・・へいへい、泥努サマの仰るとおりに。」
応尽は振り返らずに
泥努から去るのであった————————。

 

 

ここで五頭応尽の正体が明らかになる。
彼だけが・・・〈双亡亭〉における唯一の人間であり、
不老不死の修行をした103歳の仙人だったのだ!!

それにしても常に薄ら笑いを浮かべ、
人を逆撫でする言葉を吐き続ける、
如何にも怪しげなこの男はどうだ!!

こんな奴だから・・・泥努にきついお仕置きを受けても
何ら同情が湧かず、
却って「ざまあ見ろ」と思わせてしまうところに、
この物語の脚本の見事さが際立っているのである。

まさに藤田ワールド全開である。

 

 

 

 

密談

双亡亭の長い廊下を歩く〝しの〟と応尽。

「応尽。始めるのではなかったのか・・・」〝しの〟が不満気に言う。
「これでは、ただ泥努と会見しただけではないか・・・。」

「しいぃ・・・喋るんじゃねぇよ。」
応尽は人差し指を唇に当てる。
「しの・・・てめぇ達は意識で一つに繋がってる。」

「おめえにバラしたら・・・
おめぇ達を支配している泥努に筒抜けだ・・・。」

「さあ、きっちり収穫はあったぜ。」
応尽の目元が嗤う。
「こっちにも段取りってモンがあんのよ。」

「まあちょっと待ってな。
部品はすぐにそろう。 そうしたら・・・。」

「てめぇ等の望み通りにしてやんよ。」
五頭応尽の悪魔のような顔が・・・
その深い皺に埋まるくらいの邪悪な微笑みで
さらに大きく歪むのであった—————————!!

 

 

ええ!? 応尽は泥努に忠誠を誓っているのではなかったのか?
それなのに・・・何だこの密談は!? この応尽の不敵な笑みは?

〈双亡亭〉の面々は一枚岩でなく・・・
泥努を裏切る画策をしているという事なのか!?

この風雲急を告げる展開に————
この先の流れが全く読めくなった我々読者は
暗闇の中へと突き落とされた気分に陥るのである。

 

 

 

双亡亭壊すべし151回の感想

今回の「双亡亭壊すべし」は————
坂巻泥努と五頭応尽・・・この2人の対比である!

〈双亡亭〉で帝王の如く君臨する坂巻泥努。
「水」の侵略者の支配を退けたその精神力には目を瞠るものがあり
その融合から発生する「力」は巨大で圧倒的過ぎて
〈双亡亭〉に入る者全てを凌駕する!!

芸術家でエキセントリックで、自分の興味のわかない事には
とことん無関心で冷酷になり得るが、
いったん興味を持つと人間らしい一面を見せる。

なんて個性的で、人間性の一端を顕著に表している悪役であろうか!!
このキャラなら人気が出て当然であろう。

 

片や五頭応尽である!!
その人を喰った態度と軽薄さが常に周りを苛立たせる男。
しかも腹の底が全く読めず、
ある意味「坂巻泥努」より曲者で「悪」であると言えよう。

宗教家・修行者でありながら
精神的に尊敬できるところがなく・・・
逆にトコトン嫌われる・・・
それがこの五頭応尽なのである。

 

この2人の「悪」の対比が—————
その態度や会話から見事に浮き彫りにされているのである。

「芸術家」と「宗教家」・・・
このジャンル分けこそが
ここまでも〝悪の性質〟を変えてしまうという事を
この〈双亡亭〉は
我々にしっかりと教えてくれたのである。

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