【 キングダム 603話 あらすじ・ネタバレ 】
朱海平原十五日目―――
趙中央軍本陣に鄴からの知らせが届く。
【 趙中央軍本陣 】
知らせの内容を聞くまでもなく、李牧も側近たちもそれが良い知らせであるはずがないと思っていました。
「 ・・・どういう知らせです 」
李牧から尋ねられた伝者は知らせの詳細を伝えます。
それは鄴城主”季伯”からの火急を要する知らせでした。
〈 城内にまぎれ込んでいた賊の手によってほとんどの食糧が焼かれ消失。
王都圏九城の難民で城内はあふれており、飢えによって必ず暴動が起こる。
もし暴動が起これば鄴は内から崩壊し、半日と待たず陥落する。 〉
知らせの内容を聞き、金毛たち側近に動揺が走ります。
「 なっ・・ぎっ・・鄴が落ちる!? 」
伝者は続けて季伯からの要請を告げます。
〈 朱海平原の戦を解き、今すぐ南下し、鄴を包囲する桓騎軍を討って城を解放されたし 〉
動揺する金毛ら側近に李牧は明確に進路を示します。
鄴から朱海平原まで知らせが届くのにはおそらく一日かかる。
鄴が難民に与える食糧全てを失ったとしても、城主の季伯は最低でも三日は暴動を抑えられるはず。
だとするならば・・最短の猶予はあと二日。
「 今日この一日をかけて王翦軍を倒し、返す刀で鄴へ一日で行き、桓騎軍を討つ! 」
たとえ今、戦をを解いて鄴へ向かったとしても王翦に背を討たれたどり着くことはできないと。
李牧が各軍に指示を出します。
「 今すぐ攻めに!大鶴に陣変えです! 」
「 ・・・やってくれましたね・・王翦 」
【 趙中央軍 】
傅抵とカイネの軍にも李牧からの伝令が届きます。
傅抵は急な陣変えの指示に、本当に李牧からの伝令なのか訝しがります。
カイネも陣変えの指示に動揺します。
「 何かあったんだ 李牧様の想定外のことが――― 」
しかし、傅抵もカイネも”大鶴”の陣形を李牧が指示したということは、
それはつまり、今日で勝敗を決するということだと理解していました。
【 秦中央軍前線 】
田里弥は前線の乱戦を解き、一度下げることを指示。
倉央も趙軍の陣形を見て意図を読み取ります。
「 全面やり合いになるぞ 」
倉央も田里弥も趙軍が急な陣形変更をせざるを得ない状況になった理由は鄴にあるとみていました。
そして、そう仕向けたのは紛れもなく王翦であろうと。
「 本当に・・・恐ろしいお方だ・・・ 」
【 秦中央軍本陣 】
大きく陣形を変えていく李牧の中央軍を見据え、王翦が指示を出します。
「 李牧を討つ! こちらも全面攻撃の陣に移れ 」
王翦が列尾を越える時に描いた かすかな勝機が今 目の前に形を成して浮かび上がったのです。
ゴゴゴゴゴゴゴ
【 秦右翼 vs 趙左翼 】
中央の戦局が大きく変わろうとしている時、
秦右翼の戦況はさらに進んでいました。
河了貂の予想よりも趙左翼の抵抗は思いのほか強かったのですが、
それを上回る勢いを秦右翼は見せていました。
前線でその勢いとぶつかり合っていたのは馬南慈軍。
馬南慈は指示を出します。
「 退くぞ 尭雲殿にも伝令を送れ 」
馬南慈軍と岳嬰軍残党は後退します。
河了貂はこれが戦略的後退だと見抜きます。
馬南慈は下がることで秦右翼に重圧をかけたのです。
これにより秦右翼軍は李牧のいる中央に向かう隊と、馬南慈ら左翼と応戦する隊とを分けなくてはならなくなったのです。
力を半分に分けて李牧を討てるかどうか・・
河了貂に不安がよぎります。
しかし!
ここで趙左翼に異変が起こります。
馬南慈からの呼びかけを無視する形で、尭雲軍と趙峩龍軍は後退どころか逆に前に出て来たのです。
ドドドド
この尭雲の行動に馬南慈も河了貂も驚きを隠せません。
「 何っ!? 」
「 えっ!? 」
尭雲が指示を出します。
「 飛信隊・信と玉鳳・王賁を殺せ 」
ゴゴゴゴゴゴ
キングダム 第603話 END
【 キングダム 604話 考察 】
「 信を殺せェ! 」
何回聞いたセリフでしょう・・・
もはや緊迫感は皆無です。
【 李牧のカウンターは無い 】
やっぱり想定外だったみたいです。
鄴城が内から瓦解する想定はしていなかったことが判明しました。
王翦でなくとも、難民に間者を紛れ込ませるくらいのことは考えるでしょう。
ならばそれを阻止する策だけでなく、万が一の場合に備えてカウンター策も講じるのが普通でしょう。
李牧ほどの人物ならば当たり前に・・
でも想定外だったみたいです。
桓騎としては「 クックック 」てな感じでしょう。
鄴城内で桓騎軍による暴行と略奪の画が目に浮かびます。
李牧曰く「賢人な城主李伯」ですからね、暴動とはいえ自国の難民の命をそうそう奪えないでしょう。
桓騎と取引をして城門を開けそうですよね・・で、桓騎に取引を反故にされてしまうと。
李伯の首が城門に晒されそうです。
【 王翦軍 】
今週、倉央の側近らしき人物が出て来ました。
見た感じ女性なんですが・・
首がハンパなく太い!背丈も倉央よりもデカい!
人気出そうですね。
気に入りました♡
倉央の代わりに王翦旗下四将の座に座ってもらいたい♡
さて、両軍共に時間がありません。
李牧は一刻も早く鄴へ行きたい。
王翦軍は餓死しちゃう(見えませんが空腹なはず)。
そんなお互いの状況は分かっています。
有利なのはどちらでしょうか・・
それはやはり王翦軍でしょう。
組織化された軍は王翦軍も同じこと。
李牧軍が見せた鉄壁の守りを出来ない道理はありません。
時間をかければかける程、趙にとって鄴城の状況は悪化します。
王翦軍は焦って攻めることは無いのです。
戦況が膠着してくれば李牧が別動隊を率いて鄴に向かうのは必至。
つまり、李牧はどうしたって軍を分散させなくてはならなくなるのです。
王翦軍を相手に。
秦軍最強の王翦軍を相手にです。
原先生が王翦軍の強さをここらでガツンと見せておくことは大事だと思います。
仮にも秦軍最強を謳っているのですからね、飛信隊や玉鳳以下っぽく描くのはまだ早すぎです。
信の成長を見ていきたいのが読者です。
信や飛信隊と比較対象になる将軍や軍が、この時点でしょっぱく描かれてしまったらダメでしょ。
信たちはまだまだ途上なんだって、このへんで見せてくれないと厚みや深みが無くなりますよね。
麻鉱のことはもういいです・・忘れます。
王翦軍の最強たる所以とその武を見たいですね。
【 尭雲 】
もはや今更感しかありません。
泣かす演出が用意してあるような気もしますが
今更です。
引っ張りすぎたために蛇足となってしまった感のある藺相如との回顧録。
引っ張るだけのことはあったんだなって思わせて貰いたい。
犬といい銀髪といい、趙のカラコンキャラには失望させられっぱなしですよね。