【 キングダム 600話 あらすじネタバレ 】
信が趙峩龍を討ったその十四日目の夜・・
趙の三大天・龐煖が秦・左翼本陣に突如現れ秦兵を次々となぎ倒していきました。
そして、その中には左翼副長であり蒙恬お付きの爺が・・
【 秦・左翼本陣 】
龐煖に斬られはしたものの、かろうじて命を取りとめていた爺。
地面に横たわったまま信じられない思いで目の前で起きている惨劇を見ていました。
フォン
フオン
龐煖はまるで大鎌で草刈でもするかのように秦兵を刈り取っていました。
フオ ン
【 爺と蒙恬(過去エピソード) 】
蒙恬が生まれ嫡男誕生に喜ぶ爺。
蒙武は蒙恬の面倒を爺に託します。
「お前が面倒を見ろ」
幼いころから容姿端麗な蒙恬に爺はメロメロ・・実の孫以上に可愛がります。
蒙恬兄弟にいたずらされようと
蒙恬に女性関係の後始末を託されようと
素直に感謝の意を述べることが出来る蒙恬を爺は誇りに思い大好きでした。
蒙恬に言われた言葉が爺の頭によぎります。
「いつもありがとね じィ」
「俺に子供ができたら一番最初に抱っこさせてあげるから」
「大好きだよ じィ」
蒙恬の顔を思い浮かべ涙が溢れます・・
【 秦・左翼本陣(現在) 】
『わしはここまで・・』
爺は自身の命を諦めかけます。
『いやダメだ、この騒ぎを聞きつけ蒙恬様が戻ってくる前に・・その前にこの男を遠ざけておかねば・・』
どこにそんな力が残されていたのか爺は立ち上がり、満身創痍の体で剣を引きずりながら少しずつ少しずつ龐煖の背後に近づいて行きます。
ザッ・・・
ザッ・・
ザ・・
そしてついに龐煖の真後ろ、その剣が届くところまでに至ります。
秦兵刈り取りに夢中なのか爺に全く気がつかない龐煖。
ドス
剣を振り上げる力すら無い爺の弱々しい突きが龐煖の左ももを貫通!
周りにいた秦兵はその光景を目の当たりにして驚きます。
「刺せたっ!? あっあの龐煖をっ」
その一突きに驚いたのは秦兵だけではありません。
刺された龐煖も予期せぬ一撃に驚き振り返ります。
「!? !?」
声にならない声で爺が龐煖を見上げ言い放ちます。
「失せろ 武神とやら」
その言葉に神経を逆なでされたからか、はたまた自分を刺したのが瀕死の老人であったことに己の不甲斐なさを恥たのか、龐煖はキレます。
龐煖にほとんどダメージはなく、瞬時に体を反転させ矛を振り上げる龐煖!
爺は薄れゆく意識の中で蒙恬の姿を目に浮かべ語りかけます・・
『蒙恬さま 爺はあなたと出会えて本当に幸せでした・・』
『ありがとう・・』
ガクッ
龐煖が矛を振り下ろす。
矛が届く寸前で息絶える爺・・
フオン
【 陣周り中の蒙恬 】
各陣に出向き明日の戦術の最終確認をしていた蒙恬は左翼本陣の方向から何かを感じ取る。
「!?」
言い知れぬ不安を覚えた蒙恬は本陣へ戻ることに・・
【 趙・中央軍本陣 】
李牧たちの下に龐煖が秦・左翼本陣に単独で現れ、小隊を全滅させたとの報告が入ります。
その報に色めき立つ趙兵たち。
しかし龐煖はその後再び姿を消したとの報せも。
趙兵たちは龐煖がまた山に戻ってしまったのではと危惧します。
「彼は山へは戻りませんよ」
そう断言する李牧。
李牧はこの数年龐煖を捜したが居場所すら掴めませんでした。
そんな龐煖が突然ここ(朱海平原)に現れたのです。
龐煖は自らここへ来たのだと李牧は確信しました。
それはおそらく龐煖は決着をつけるために現れたのだと。
「いよいよ役者がそろいましたね カイネ」
【 趙・左翼・尭雲軍宿営地 】
趙峩龍が信によって討たれた報告を受けている尭雲。
「峩龍は最後に何か言っていたか?」
報告に来た兵の中に趙峩龍の今際の言葉を聞いた者がいて尭雲に答えます。
「死に際に・・飛信隊・信に対し・・”後は尭雲様に”と・・」
趙峩龍の最後の言葉を聞いた尭雲は明日の戦いに自分も出ることを部下に伝えます。
「その腕でですか!? 無茶です尭雲様」
【 秦・右翼、飛信隊宿営地 】
昼間の激戦によるダメージが残る体で尾平たちの下をおとずれる信。
「決戦前夜だからよ・・お前らとメシでも食おうと・・メシねェけど・・」
まともに立っていることすら出来ない信に尾平が肩を貸します。
「バカ だったらオレらが天幕に行くよ」
そこへ河了貂も現れ、信に馬肉を渡します。
河了貂は今日の実質的勝利のねぎらい、そして松左を失ったことの喪失感を少しでも埋めたくて今晩は珍しく皆と食事を囲んでいました。
それは河了貂だけでなく信も同じ気持ちでした。
河了貂が信に王翦から戦略についての伝令が来たことを伝えます。
その内容は・・
信たち右翼は日の出と共に出陣して趙・左翼を抜き、李牧の中央軍へ横撃せよとのことでした。
「それと同時に王翦中央軍も李牧中央軍に突撃をかけるはず」
河了貂の話を聞き、信は周りにいる仲間に言います。
「よし いよいよだぞお前ら」
【 秦・右翼玉鳳宿営地 】
負傷した身体を休めている玉鳳兵たち。
そこへ尭雲との戦いにより意識不明の重体となっていた王賁が現れます。
「あっ・・」
「王賁様ァっ!!」
キングダム 第600話 END
【 キングダム 第601話 考察 】
今週は決着の十五日目を前に、見どころとなる主要キャラの告知でした。
【 龐煖の白目と画家・原泰久 】
趙・三大天の一人ってことは大将軍なわけです。
何万人もの部下の命を預かる立場にいる人間が敵地深くにノコノコひとりで行き、暴れて何処へともなく帰っていくって・・
主役の信だって成長してそんな真似もうしませんよ。
キングダムでは武将同士の戦いにおいて、しばしばキャラクターが白目状態になり、覚醒といいますか・・リミッターを解除といいますかキレた状態になります。
その描写は見ていて怖く鬼気迫るものでなくてはならないのですが、龐煖の白目からソレが感じられたのは登場初期の頃だけです。
理由は単純で、出て来る度に白目だから。
もはや慣れです。
怖くて恐ろしくて威圧感たっぷりに描こうとするあまり白目にさせすぎたんですね、原先生は。
龐煖の白目も問題ですが、信や王賁といった主要キャラにも少々白目を安売りして使っている感があります。
龐煖ほどでは無いにしろ他のキャラの白目にも慣れてしまった我々に新しい画的アプローチを漫・画家として原先生は見せる刻ではないでしょうか。
【 我々の代弁者・爺 】
龐煖について多くの読者が思っている、又は感じていることを原先生はよく知っています。
今週号を読んで改めてそう確信しました。
我々読者が龐煖をコケにすればするほど原先生はさらに龐煖を使って我々を煽るでしょう。
爺が今週龐煖を見て言ってました。
「一体何が起きているのだ・・」
コレ、今まで龐煖が出て来た時にいつも感じて来た読者感想ですよ。
今週号で雑草のように刈り取られていた秦兵は龐煖に不満を持つ読者でしょう。
卑怯にも龐煖の後ろから剣を突いた爺はサイトで龐煖を批判する我々かな。
そして言わずもがな龐煖は原先生。
爺の一突きなんざダメージにもなりませんでしたね・・
でも爺の剣は龐煖に届きました・・つまり我々の声も少しは原先生に届いているのです。
爺の言葉にキレた龐煖は難なく爺を切り倒しちゃいましたけどね・・
それでも爺が放った言葉に胸がすく思いがしましたよ本当に。
自分が作った最強キャラがコケにされて原先生からしたらやっぱり腹が立つ思いなんでしょうね。