2020年2月6日発売日の週刊ヤングジャンプ2020年10号「キングダム」第630話を読んだのであらすじ・ネタバレ・感想をまとめました。
本記事はキングダム【最新話】630話のネタバレと感想をまとめた記事になります!
※ネタバレ注意です
【 キングダム 630話 あらすじ・ネタバレ 】
龐煖との戦いによって信の命は燃え尽きました。
目の前にあるこの事実を受け入れられない飛信隊の面々…
信を取り囲み、ただ泣き叫ぶばかりでした。
【 朱海平原・秦軍右翼後方 】
戦場を離脱した趙・李牧軍を追撃しない飛信隊の動きを不審に思った玉鳳の王賁と番陽、そして楽華隊の蒙恬が右翼の飛信隊後方へ様子を窺いに訪れます。
すでに後方の歩兵たちにも隊長である信の死は伝わっており、歩兵たちも皆 膝を着き泣き崩れていました。
そんな兵達の姿を見た蒙恬と王賁はまさかの事態を想像します。
信が死んだのではと…
【 朱海平原・秦軍右翼前線 】
地面に横たわる信…
河了貂がその横で泣き叫んでいました。
そこへ瀕死の羌瘣が近寄り、私が信を助けるといって河了貂をどかします。
その場にいた尾平は羌瘣の言葉を聞き、何言ってんだと、死んじまったんだぞと、地面に頭を擦りつけながら羌瘣をなじります。
尾平のように騒ぐわけではありませんでしたが、河了貂も羌瘣の言葉の意味がわかりません。
羌瘣は尾平に気が散るから黙れといい、今から自分がやろうとしていることを皆に簡単に説明するのでした。
羌瘣の生まれた蚩尤の村には、千年以上前から伝わる「人を蘇生させる秘術」がありました。
しかしそれは禁術…
羌瘣はそれを今から信に施すというのです。
ただ、それを羌瘣もやったことがないし、記憶も曖昧であったため自信はありませんでしたが、信を救うにはこれしかないと言い切ります。
羌瘣はまだ幼き頃に死んでしまった小鳥を生き返らすため、その秘術を使おうとしたことがありました。
その時はそんな秘術なんて「うそっぱち」だからやめておきなと象姉にいわれ、結局施術はしませんでしたが、羌瘣は「うそっぱち」とは思えないでいました。
象姉は死んだものが生き返ることなど有り得ないと言い、だから「うそっぱち」の術だと言っていましたが、そんな「うそっぱち」なことを蚩尤は千年以上も伝え続けてきたのかとの疑念がずっとあったからです。
あの時、象姉は術を施す側に最悪な事が起こるからやめておけと言っていたけれど、信が死ぬ以上に最悪なことなど何もない。
羌瘣は信の身体に手を置き、うろ覚えながらも術式を唱え始めます。
心の目は内に、心の手は汝の中心に
納むるは白金の瀬、定るは泰山の礎
色無くす時、その二つは赤門を見る
第一の門をくぐり、第二門内から開くのを待て
第一の門をくぐり、開かずの第二の門、心の手で解かし白き橋へ
それ即ち”盤古の橋”
蚩尤、枉矢、旬始、天峰、来天の王
光の雨に地は興る
天は地へ、地は天へ
陰陽の奥儀、羽仙と地仙はうねり歌う
人の身は土くれ、人の血も土くれ
人の命は蓮華の光
唯、唯、光
術式を唱え終えた羌瘣。
河了貂らに信に何か反応があったらお前達でこちらに呼び戻すよう伝え、信の身体の上で意識を失います。
【 天地の間 】
羌瘣は辺り一面何もない、まさに無の世界にいました。
そこに現れたのは死んだはずの幽連。
幽連がいうにはここは天地の間、門戸であると。
そして、ここより先に行くにはお前の命、「寿命」をいくつかもらうと羌瘣に説明します。
いくつ差し出すかは自分で決めろとも…
その言葉を捕捉するように今度は象姉が現れて羌瘣に説明。
術者の寿命を減らすことでしか信は救えないといい、術自体も命を使わないと発動しないのだと…
幽連がそこへさらに捕捉します。
死んですぐ術を発動させれば、術者の半分の寿命を使って二つに一つで生き返る。
それはつまり、二分の一の確率で死者は生き還らず、術者はただ寿命の半分を失うだけに終わるということを説明。
さらに幽連は信はすでに間の世界の奥深くまで行ってしまっているため、呼び戻すにはたとえ寿命の半分を使ったとしても十に一つくらいでしか成功しないと予想します。
だから、よく考えて答えろと…。
命をいくつ差し出すか答えるのは一度だけだと脅す幽連でしたが、羌瘣は意に介しません。
「全部やる」
即答でした。
そこには未練もけれんもありません。
信をどうしても死なせたくない、ただその思いがあるのみ。
象姉も幽連も驚きますが、羌瘣の迷いのない晴れやかな顔を見て止める言葉は出て来ません。
半ば呆れるように行ってこいと幽連はいい、羌瘣を間の奥に進む信のもとへと飛ばすのでした…
キングダム【第630話】END
キングダム第629話感想と第630話考察
予想していた事とはいえ、ガッチリ向こうの世界を描くつもりな事が窺える内容でしたので、もぅ謎の震えが止まりません。
言いようの無い感情って、こういうことをいうのかも。
喜怒哀楽のどれでもない感情…
【 剣と魔法のファンタジー 】
羌瘣が説得を試みるのでしょうけれどおそらく上手くはいかないのでしょう。
やはり龐煖の出番となりそうな予感。
キングダムのファンタジー担当二枚看板である羌瘣と龐煖が、信と読者をワンダーランドへと誘うのです。
「鄴」攻め編は、信や王賁、蒙恬、さらに壁といった将の成長だけでなく、部下や隊としての成長を描く章でした。
その締めがまさかのファンタジー。
亜光が尭雲と馬南慈の両者から同時攻撃を受けていたあの羅刹の世界と同じとは思えませんよね…
しかし、この振り幅に慣れるしかありません。
作者と編集がそうしたいと決めた事に我々はついて行くしかないのです。
受け止めるしか選択は無いのです。
【 愛は盲目ね 】
ヨーロッパ系のファンタジーみたいに、リングとか剣とか何かしらアイテムが鍵となると思い、緑穂が命の貸し借りに関係してくるいわば媒介、装置と予想しましたが違うようですね。
羌瘣は自分の命と引き換えに信をこちら側によびよせたいようですが、信がそれを許すはずがありません。
自分さえって考えをする羌瘣に対して「そういうのは無しだ」って信は以前から伝えていますよね。
それは羌瘣が「一緒に」って考え方になることを願っているからです。
ひとりじゃない、大勢の仲間がいるんだと…。
信が思いを紡いでいるように、羌瘣も思いを紡いでいます。
信のこととなると、それらをスポーンと忘れてしまうかのような行動に出てしまう羌瘣…
本人は意識していないでしょうが、信への愛情がそうさせてしまうのでしょうね。